マクラーレンベールについて
オーストラリアワインの歴史において最も有名で且つ最もプレミアムな重厚なShiraz(シラーズ)代表とする赤ワインの産地 Barossa Valley(バロッサ・バレー)、冷涼な地域で繊細なワインを生産する Adelaide Hills (アデレードヒルズ)とあり、南オーストラリア州内での、McLaren Vale(マクラーレンベール)の立場は少し中途半端でした。
実際に生産されるワインに質の高いものはとても多く、いろんなブドウ品種を栽培できる器用さや恵まれた土壌や気候がある反面、アピール力が不足(不器用)と言えるかもしれません。
ただ、その様相は近年で大きく変わってきています。
実際にこのブログ筆者も、McLaren Vale(マクラーレンベール)で生産されるワインのビッグファンであり、足繁く通うワイナリーも多くあります。
マクラーレンベールの海の影響を受けたブドウで造られるワインは、潮風を受けてほんのりと塩キャラメルのような味わいになる他、夕方に吹く冷ややかな海風の影響で、タンニン(渋みの成分)が優しく女性的になる感じがします。
マクラーレンベールで最も力をいれているブドウ品種は Grenache(グルナッシュ)です。Shiraz(シラーズ)と解説するワイン雑誌やワイン関連のウェブサイトが多いですが、それは結構前の話ですね。もちろん優れたShiraz(シラーズ)の生産地であることは間違いないのですが、近年では、優れたGrenache(グルナッシュ)の生産地として認知されており、伴い、Grenache(グルナッシュ)で良いワインが多いのです。
また、この数年では、イタリア品種のブドウ栽培にも注目されており、実際にそれらのイタリア品種のワインを生産するワイナリーも増えてきました。
McLaren Vale(マクラーレンベール)のワインは伝統的ワイン製法と新しいブドウ品種と製法が融合しつつあります。